Sydney International Piano Competition 2004
★28-30 June 2004 到着
★01-04 July 2004 第1次予選(ステージ1、ステージ2)
★05-09 July 2004 第2次予選&セミファイナル(トリオ、リサイタル)
★10-18 July 2004 ファイナル(モーツァルト、プロコフィエフ)&結果発表
6月28日
6月27日夜の便で成田を発ち、28日早朝にシドニー到着。
コンクールの係りの方々が出迎えに来てくれていて、日本から行った3人を車に乗せてくれ、そのまま予選会場兼コンクール事務局へ。
さすが南半球オーストラリアだけあって、早朝なのに日差しはまぶしい。
ところが外に出てみると風はやはり冬の風だった。
事務局に行き、スケジュールをもらったり予選会場を見学したりした。
まわりを囲まれた階段式の席で、ステージはその一番低いところにある。
入った瞬間、あまりの残響の少なさに参加者みんな息を呑んでしまった・・・。
聞くところによるとこのホール、普段は劇などに使われているらしく、
役者さんの話す発音がよく聞こえるようにと余計な残響を吸う設計になっているとか・・・。
ここでファイナル以外のすべてのステージが行われる。
響きが多い会場に比べて、こういうホールだとごまかしがきかない・・・。しっかり練習しなくては、と強く思った。。。
その後ホテルに連れて行ってもらい、チェックイン。しかし部屋はまだもらえず、ホテル近辺をぶらぶらしてみる。
パリのスーパーとなんら変わらない、同じようなメーカーの同じようなものが並んでいて、
あまり異国の地に来た感じがせず、変な緊張をすることもなかった。
そのあと、午後1時から練習させてもらえるというお話だったので、マフィンをひとつ買って練習室に出かける。
練習室は予選の会場の中に20部屋ほどあり、
グランドピアノの部屋とアップライトの部屋が半分ずつぐらいあるようだった。
午前7時から午後10時まで、3時間ずつの枠があり、それを一人あたり一日2コマ予約できる。計6時間。
今日は午後1〜4時までアップライト、午後7〜10時までグランドの部屋を予約していた。
練習室の上にはGreen Roomと呼ばれる「参加者憩いの場」があり、
そこで係りのおばあちゃんたちがサンドウィッチを作ってくれたり、コーヒーや紅茶が自由に飲めるようになっていた。
1時から4時まで、途中コーヒーを飲んだりしながら指ならしをし、一時ホテルに帰る。ホテルへは歩いて6分ほど。
飛行機の中で多少寝たとはいえ、今日は朝から行動しているため夕方になると疲れがドッと出てきた。
少し昼寝をしてから、7時にまた練習に行こう。
そう思って眠り、起きたら7時。
ああ〜だるいなあああ〜〜〜〜〜と思いながらも、せっかくのグランドの部屋だし、のたのた歩いて練習場に向かう。
着いて弾き始めたはいいが、やっぱり眠くてしょうがない。
10時までみっちりさらうつもりだったけど、こんなに集中力のない中でだらだらやっていても意味がないと思い、
1時間ほど弾いて、もうホテルに帰ってしまった。
その夜はぐーーーーーーーーっすり熟睡。
今日はピアノ選びの日。本番で演奏するピアノをスタインウェイ、ヤマハ、カワイの3台から選ぶ。
今日の練習時間は10〜13時と19〜22時。
朝はのんびり起きて、ホテルの下にあるカフェで(アパートホテルで、朝食は付いていなかった)朝ごはんを食べ、
10時に練習室へ向かった。
昨日やらなかった分、集中して練習し、お昼をGreen
Roomで軽く済ませ、ピアノ選び。
一人15分与えられた。
ピアノも気になるけど、一番興味があったのは会場の響き。
どんなにドライに聞こえるのだろう、と半分楽しみにしながらホールに入る。
ピアノを鳴らしてみる。すると、意外と普通に聴こえる(笑) 客席にはどう聴こえているかわからないけど(他の人のピアノ選びは一切聴いてはいけないことになっていた)、
舞台の上ではそんなに弾きにくい響きではない。
3台のピアノをかわるがわる試し、私は、一番音色が思うように変わってくれて、鍵盤のタッチが自分にとっては弾きやすかったカワイを選んだ。
そのあとは・・・一度ホテルに戻り、この日は夜6時ごろから、シドニーのお偉い方々が集まり、コンクールのプレジデントから審査員、関係者みんなが参加するレセプションがあった。
フォーマルな服に着替えて、ホテルで参加者全員集合し、バスでシドニー市内の広〜〜い建物、、、おそらく政府関係のものだと思うのですが・・・そこへ移動。
このあと帰ってから練習しなきゃ、と思いながらもシャンパンやワインに手を出してしまい、
空腹だったこともあってやたら酔いが回り、帰りのバスの中ではかなりいい気分になっていた・・・。
色んな、きれいな格好をした方々と「どこからいらしたの?」系の会話をつたない英語でこなし、
あとは運ばれてくる食べ物を次々といただいていた。
でもそれぞれが一口サイズの小さなものだったため、「夕ご飯代わり」にはならなかった。。。
20時ごろお開きになり、またバスに乗り込む。22時まで練習室を取ってあるから行かなくちゃ!と思いつつも、気持ち良すぎだったため、
お友達に私の練習室を譲ることにした。。。
彼はバスがホテルに着くと急いで楽譜を部屋に取りに行き、そのまま練習場へ向かった。
私は即効自分の部屋に帰りベッドにゴローン。
明日頑張ります、と自分に言い聞かせ、テレビを見ながら就寝。。。
6月30日
コンクールは明日から始まるが、私の出番は2日目だったのでもう1日時間がある。
今日はお昼に審査員たちが宿泊する素敵なホテルでまたレセプションがあり・・・(多すぎ)
昨日の教訓をいかして、ここではお酒は飲まなかった。昼間だったし。
全員で写真を撮ったり、審査員長のお話を聞いたり、また一口サイズのお料理を少しだけいただいたり。
そして午後は練習。この日は夜にオープニングリサイタルがあった。
ピアニストは審査員の一人、オーストラリア人のPiers
Laneという男性。
割とマニアックな曲で構成されたプログラムだったので、前半だけ聴いて、そのあとはお食事に行ってしまった。
ピアノが客席でどう聴こえるのかを聴きに行ったようなものなのだが、まーそこまで超ドライな感じはせず、
でも、普段慣れていない響き方をするため、耳が慣れるまでだいぶ時間がかかった。
耳が慣れてしまえば、演奏の細かいニュアンスまでよく聞こえる、コンクールには良さそうなホール(審査員側にとって)なのではないかと思った。
この日は知り合いの人に中華レストランに連れて行ってもらい、シドニーに来て初めて、やっとちゃんとした食事をした・・・。
体力勝負のコンクールなのにこんなんで大丈夫なのかな〜。