Conservatoire
National Supérieur de
Musique de Paris
209, avenue Jean Jaurès 75019
Paris, FRANCE
http://www.cnsmdp.fr/
パリ国立高等音楽院入試についての説明です。
学校のサイトに書いてあることはそのまま訳しましたが、
試験の細かい内容などは私の実体験に基づくものなので、現在の内容とは違っているかもしれません。
参考までに読んでいただいて、詳しいことは直接学校に問い合わせるようにしてください。(2003年10月現在)
Cycle de Formation supérieur
(修学期間3〜4年)
年齢制限が低いので注意してください
入学したい年の10月1日の時点での年齢が以下のようであることが条件となっています。
専攻 | 10月1日の時点での年齢 |
ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、フルート、オーボエ、ハープ | 22歳未満 |
アコーディオン、クラリネット | 24歳未満 |
ヴィオラ、コントラバス、ファゴット、サックス、ホルン、金管、パーカッション、ギター、オルガン | 26歳未満 |
入学試験は毎年2月に行われ、まず聴音とソルフェージュのテストがあり、ある点数以上を取れると実技の試験を受けることになります。
たいてい2月の初めに聴音、ソルフェージュ、その1週間後に1次試験、また1週間後に2次試験 という感じになっています。
【聴音】
日本で音楽関係の学校に通っていた人ならまったく問題ないと思われます。
ただ、拍子や小節数などフランス語で聞き取れないといけないので、フランス語での言い方を習っておきましょう。
聞き取れなかった場合は試験官が何人かうろうろしているのでその人たちに聞くと教えてくれると思います。
問題はメロディー、和音、4声体、あと私が受けたとき(1998年)は数小節の短い曲を聞いて、調とカデンツを答える問題がありました。
カデンツの名前(完全終始、半終始など)もフランス語で書けるようにしておいたほうが良いようです。
【ソルフェージュ(新曲視唱)】
歌は伴奏の人がいてそれに合わせて歌曲っぽいものをドレミで歌います。(ありがたいことにドレミはフランス語も同じなので安心です。笑)
あともうひとつ「リズム歌い」があります。これが年によって難易度はまちまちではありますが結構やっかいです。
私のときはかなり複雑なリズムを歌わされました。途中で拍子が変わったり・・・。
これはドレミで音程をつけずに言うんでもいいし、タンタタタン・・・などで言っても何でもOKです。
【実技】
1次試験は
@バッハの平均律1〜2巻、またはショスタコーヴィチのプレリュードとフーガより、フーガのみ1つ(プレリュードはナシ)
Aエチュード2曲 1曲はショパン、もう1曲はその他の作曲家のもの(当日1曲指定)
B自由曲2曲 1曲は古典〜ロマン派、もう1曲は近現代(当日1曲指定)
自由曲は10分程度の曲と思っておけば良いと思います。
2次試験は、2ヶ月前に発表される課題曲 と 初見 です。
私のときの課題曲はハイドンのソナタXVI-49 Es-durの1楽章のみ と ドビュッシーの花火 でした。
たいてい時代の違う2曲が出されるようです。
これは待っていても何も知らせてきてくれないので、自分から学校に問い合わせるか、学校の掲示を見に行くか、またはホームページ上でも確認できます。
初見は演奏試験のあと、別に日にちを設けて行われます。
試験場に入る前に少しピアノ付きの部屋で楽譜を見る時間がありました。
結構難しかった記憶があります。ほぼ無調で、テンポが途中で変わったりとか。。
以上です。頑張ってください!!
Cycle de Perfectionnement (修学期間1〜2年)
こちらの課程はパリ音楽院のディプロマか、日本の大学の卒業証明書を所有するもの、または例外として教授の強い推薦があると大学を卒業していなくても受けられる場合があるようです。
年齢制限は、入学希望年の10月1日の時点で30歳未満となっています。
毎年4月ごろ、前登録(Pré-inscription)の受付が行われます。その後、送られてきた書類に記されている通りに、期日までに必要書類の提出と受験料の支払いを行います。
書類審査の結果が7月中に送られてきて、実技試験は9月に行われます。
実技は1次試験、その約1週間後に2次試験となっています。
【書類審査】(7月上旬)
・ディプロマ(卒業証明書)のコピー
・略歴
・修学期間中どんなことをしたいか、将来何をしたいのか等を書いたフランス語の文章(A4紙1枚に収まる程度でいいと思います)
【実技】(9月中旬)
1次試験は
@課題曲 2曲(当日1曲指定)
A自由曲 1曲
課題曲は7月初旬頃発表になるはずです。
私のとき(2002年)はベートーヴェンのソナタop.109 と ショパンの幻想曲op.49 でした。
他に今まで課題になった曲は、シューマンのトッカータ や デュティユーのコラールと変奏曲、ショパンのバラード4番 などがあります。
自由曲はやはり10分程度のもので良いようです。
2次試験は、あらかじめ提出しておいたプログラムの中から、1次試験の発表時に審査員が30分ぶんを指定し、それを演奏することになります。
プログラムには様々な時代の曲を入れるようにし、
ピアノ科: 60〜75分
ヴァイオリン科: 45〜60分
その他の弦楽器科&室内楽科: 45分
管楽器科: 30〜45分
ぶんを提出しておきます。
なお、1次試験で指定されなかった方の課題曲を2次試験で弾かされることもあります。